泌尿器の気になるQ&A
- 腎結石、尿管結石の症状と予防について教えてください…【60代・男性】
結石が引き起こす症状の特徴は、突然起こる腰の痛みや下っ腹の激痛です。腎臓でできた石が、尿のとおり道である尿管につまったりするこ とによって、このような症状を引き起こします。
診断は尿検査、超音波検査、レントゲン検査、CTなどで行います。
治療は、結石の位置と大きさなどによって選択されますので一度専門医の診断を受けられることをお勧めします。
◆結石の再発予防について◆
腎結石ができる主な原因は食生活と言われています。腎臓にできる石はほとんどがシュウ酸カルシウムというものなので、シュウ酸を多く含む食物を摂取するこ とによって、結石ができやすくなると言われています。ホウレンソウは特にシュウ酸を多く含むと言われています。ただシュウ酸はその他多くの食品に含まれているのでなかなか制限できません。
かわりにカルシウムを同時に摂取しましょう(ホウレンソウ+かつおぶし、コーヒー・紅茶+低脂肪ミルクなど)。カルシウムは腸管内で食 事由来のシュウ酸と結合するため、腸でのシュウ酸の吸収を抑制することができ、結石再発の予防になります。
また、脂肪を多量に摂取すると、吸収されずに腸管内に残った脂肪酸がカルシウムと結合します。このためシュウ酸と結合すべきカルシウム が減少し、腸から吸収されるシュウ酸が増加し、結石ができやすくなります。塩分・糖分は尿へのカルシウム排泄を増加させるので控えることをお勧めします。
🔶腎結石、尿管結石の予防法 まとめ
【1】水分の摂取を多めに(1日2Lがめやす)
【2】カルシウムを多めに摂取する(低脂肪・無脂肪牛乳、乳製品)
【3】脂肪の多量摂取を控える(動物性脂肪)
【4】塩分・糖分を過剰摂取を控える
【5】規則正しい生活を心がけ、バランスのよい食事を
- 最近、夜間のおしっこの回数が多いため、知人に相談したところ、前立腺肥大症ではないかと言われ心配しています。前立腺肥大症について教えて下さい【50代・男性】
前立腺とは膀胱の下にあって、尿道を取り囲むようにして存在する男性にだけにある臓器です。精液をつくる役割をしています。
加齢により前立腺はすこしずつ大きくなっていき、尿の通り道をふさいでしまったり、膀胱を圧迫したりすることによって起こるさまざまな尿のトラブルを総称 して前立腺肥大症と呼んでいます。
🔶夜間のおしっこの回数が多い
🔶おしっこに勢いがない
🔶おしっこがしたくなると我慢できない
🔶おしっこをするのに時間がかかる
🔶キレが悪い
などが主な症状です。
治療は内服薬の服用で対処できることが多いです。内服薬での治療が不十分の場合は内視鏡的な手術が必要であると勧める場合もあり、程度、状態によって、そ の方に適した治療法を選択する必要がありますので専門医の診断をうけることをお勧めします。- 性感染症の症状と治療について教えてください…【20代・男性】
性感染症(sexually transmitted disease STD)の主なものには、淋病・クラミジア・コンジローマ・梅毒・エイズなどがあります。
ここでは最も多い淋菌性尿道炎とクラミジア尿道炎についてお話しいたます。この二つは以下に記すように感染から症状が発症するまでの期間、症状、菌の培養 検査によって鑑別します。淋菌性尿道炎 症状 感染機会から約1週間で尿をするときの痛み、尿道から黄色の膿(うみ)が出るといったような症状が出ます。 治療 治療は抗生物質の筋肉注射や点滴が推奨されています。 クラミジア尿道炎 症状 感染機会から約1~3週間で尿をするときの不快・痛み、尿道から白色・透明の分泌液が出るといった症状がでます。 治療 治療は抗生物質の内服です。 ただ両方同時に感染している場合(混合感染)もあるので早急に専門医による診察を受けられることをお勧めします。
また配偶者やパートナーにも感染する危険性もあるため、しっかり治療することが重要です。
当院では診断・治療はもちろんですが、症状がないものの性感染症の可能性を心配されているという方にもご希望に応じて検診を行っています。- もしかしたらED(男性の勃起不全)かと疑いがあります。EDについて教えてください…【30代・男性】
ED、いわゆる男性の勃起不全ですが、これは“こころ”の問題、糖尿病、男性更年期などさまざまな原因によって引き起こされます。
まず は一度専門医による診察を受けられることをお勧めします。
ED治療薬に関しては当院ではバイアグラ、レビトラ、シリアスの3種類を処方しております。それぞれご希望に応じて処方させて頂きます。
- くしゃみや咳をした時に尿漏があり悩んでいます。病院にかかるほどで はないかと思うのですが…【40代・女性】
いわゆる腹圧性尿失禁ですね。
量の多い・少ないは個人差がありますが、くしゃみや咳をした時、少し力を入れた時に尿がもれてしまう・・・こんな悩みを抱えた女性は意外と多いのではない でしょうか。
ただ恥ずかしさもあり、少しなので・・と諦めてしまってる方が多いとも言われております。
女性の尿がもれる原因としては出産や加齢などで骨盤の筋肉がゆるんだりすることなどがあげられます。
治療としては骨盤底筋体操などのエクササイズ・内服薬を服用・干渉低周波・手術などがあります。
尿失禁の程度、状態によって、その方に適した治療法を選択する必要がありますので専門医の診断をうけることをお勧めします。- 最近、抜け毛が気になります。なにか効果的な治療法はないですか?【40代男性】
男性型脱毛症は近年AGAという略語でテレビなどでおなじみではないでしょうか?
ようするに成人男性の髪が薄くなる状態のことです。思春期以降に額の生え際や頭頂部の髪が、どちらか一方、または双方から薄くなっていきます。一般的に遺伝や男性ホルモンの影響などが主 な原因と考えられています。
当クリニックではAGAに対して飲む発毛剤であるプロペシアを処方しております。
現在プロペシア(一般名:フィナステリド)は世界60ヶ国以上で売られている男性型脱毛症の治療薬としては有効性と安全性が認められたはじめての医療用医薬品です。
個人差がりますが効果が確認できるまで通常6ヵ月以上の連日服用が必要です。特に半年から1年で効果がみられる方が多いです。
女性は使用できません。- 突然おしっこに血が混ざっていた・・・。どうしたら良いのか解 らず困っています。【40代・男性】
血尿はいろいろなかたちで現れます。びっくりして怖くなったり、一時的なものだと楽観視して放置しておくのはあまりよろしくありませ ん。
できるだけ早く泌尿器科で診察をうけることをお勧めします。
血尿の原因としてはさまざまなものが考えられます。
🔶尿路系の悪性腫瘍(癌)・・・膀胱癌、前立腺癌、腎臓癌、尿管癌など
🔶尿路結石・・・腎結石、尿管結石、膀胱結石
🔶腎疾患・・・腎炎
🔶感染症・・・膀胱炎など
🔶前立腺肥大症、前立腺炎以上のごとくいろいろな原因で血尿が引き起こされます。故に、精密検査をお勧めいたします。どのような検査をするかは年齢、性別、症状 によっ て多少違いますが、おおよその検査方法としては問診、詳しい尿検査を行い実際に血尿が出ているかどうか、尿に細菌が混ざっているかどうかなどを検査した 後、超音波検査、レントゲン検査、血液検査、膀胱の内視鏡検査、腎尿路の造影剤を使用したレントゲン検査などその患者さんに適した検査をすすめて原因を追 究していきます。
- コンジローマは簡単に治療できますか?【20代男性】
尖圭コンジローマとは性器にできるイボであり、ヒト・パピローマ・ウイルス(HPV)というウイルスの感染症です。
感染してからおよそ3週間~8ヵ月後に性器や肛門周辺にイボが出来ます。男性の場合 症状 ペニスの亀頭部分、カリの部分、皮の部分によくできます。
大小様々でカリフラワー状になってしまうこともあります。女性の場合 症状 外陰部、腟、子宮によくでます。
肛門にも現われる場合があります。放置しておくと大きくなったり、感染を伴ったり、癌の危険因子にもなるので治療の必要があります。
泌尿器科医が診察をするとほとんどの場合は見てわかります。
治療は電気メスで切除するのが一般的です。その他塗り薬で治療する場合もあります。- 性器ヘルペスってどんな病気なんですか?【20代・男性】
性 器ヘルペスはおもに性行為または類似の行為を通じて感染するウイルス感染で、性感染症の一つとなっています。
ヘルペスには一般的に I 型と II 型に区別されます。以前は I 型は、主に上半身に現れるヘルペス。 II 型は、下半身にあらわれるヘルペス。といわれていましたが現在はいずれも上半身もしくは下半身に現れる ようになっています。
ヘルペスは一度感染すると、体内にウィルスが潜伏し、多くの場合感染を繰り返します。特に体力が低下した時、疲労など強いストレスが あったときなど、女性の場合生理を契機に再発することがあります。
初感染 症状 感染後2~10日の潜伏期間があります。
男 性では主に亀頭、陰茎に好発し、女性の場合は主に外陰部から肛門まで水疱やただれが生じて強い痛みが起こります。また発熱、リンパ節も腫れて痛みも伴いま す。水疱は数個~10数個とさまざまで目で見て確認できます。痛みは女性の場合は股にできるので、すれて歩くのもつらいほどの痛みに発展する場合もありま す。再発型 症状 前述したように性器ヘルペスほとんどの場合、再発することになります。男性は亀頭を除く陰茎に好発します。痛みなど症状 は総じて軽く、水疱も小さいことが多いです。 検査方法 水疱がおきている部分を顕微鏡で調べたり、もしくは血液検査を行ったりします。 治療方法 抗ウィルス剤の内服や塗り薬、痛み止めの処方です。 パートナーにも感染する危険性があり、他の性感染症と同様に早期に専門医に診察を受けていただくことをお勧めします。